まちづくりと家庭医2

家庭医がコミュニティを育てる日々の記録

在宅医療のキシロカインゼリーの問題

訪問看護からワセリンを処方してくださいと言われるようになり、キシロカインゼリーをつかっちゃだめなのかなと思ったので調べました。

 

医薬品医療機器情報提供ホームページより

https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/1214700P1054_2_03/

 

もとは尿道麻酔、気管内麻酔に使用しており、医師の診察で直腸診の時も使うことがありました。適応上は禁忌はなく、ショック、意識障害、痙攣が頻度不明で起こるという記載。

 

2021年2月の出荷調整により、潤滑目的であれば別のゼリーを使うようにという指示が出ています。

キシロカインゼリー2% 代替による潤滑剤の使用について消化器内視鏡学会https://www.jges.net › uploads › 2021/03

潤滑目的が主で麻酔作用を期待しない尿道カテーテル挿入、内視鏡ファイバースコープへの塗布、浣腸や坐薬挿入などには用途に応じた医療用ゼリー・潤滑剤(K-Y ルブリケーティングゼリー〔レキットベンキーザージャパン株式社〕 、グリセリン「ケンエー」 [滅菌済] 〔健栄製薬株式会社〕など)のご使用のご検討をお願いいたします。

さらに泌尿器科学会のガイドラインで

尿道損傷をさけるために十分な量の滅菌した潤滑ゼリー を使用する.

との記載があります。

松本 哲朗 他,日本泌尿器科学会泌尿器科領域における感染制御ガイドライン作成委員会:日本泌尿器科学会雑誌. 2009;100(4):1-27

ほかにもいくつか言及があったようです。

 

一応、dynamedを参照してみましたが(尿道カテーテル挿入)

CDCの推奨ではそもそも日常的な潤滑油の使用は必要ないと言われてしまいました。

routine use of antiseptic lubricants not considered necessary (CDC/HICPAC Category II)

 

じゃあ、なんでもいいのかと。キシロカインゼリーをわざわざ使わなくてもいいということなんでしょう。麻酔薬なので医師しかつかえないという問題もあるかもしれません。

 

算定のことはこちらのリンクの21番。結構前からだめですね。

https://www.ssk.or.jp/shinryohoshu/kikin_shinsa_atukai/shinsa_atukai_i/index.files/atukai_2_290925.pdf

 

また追記したいと思います。