まちづくりと家庭医2

家庭医がコミュニティを育てる日々の記録

過疎の診療所へいくがい?

 となり村の診療所が医者がいないんだそうで帰ってこないかと言われる。市長さんからも手紙がきたりするのだが、有床診療所だったそこは某大学の派遣でなんとかつないでいたのだが、ついに二人いた派遣がきられて入院が受けられなくなったらしい。過疎の村の外来だけ(といっても人口3000人ぐらい)をやればいいんだ、だって、施設ねCTも内視鏡も最新式、MRIだってあるんだべ、昨年新しくしたばっかりだー、と父。私の実家の町は二つ医院があったのだけれど、どちらもいまは入院患者がおらず、入院が必要になったら車で40分の中核都市まで行かないといけない。救急車よんでも、行きが20分、そこから飛ばして30分だから、DCのないうちの部落ではまあだれも助からない。ああ、こんなとこに親を住ましといていいんだろうかと悩む医者を生業とする息子ひとり。でもねえ、こっちにも事情があってそうはいかないのだよ。
 二つある医院の息子さんたちも、そのうち戻ってくるとかこないとか。いまはそんな過疎の町で暮らすような育ち方はしてないんだよなあ、医者になるような人は、、と思いながら、まあ考えておくよと流すしかない。もちろん、頑張って地域医療に骨を埋めます、というのも人生だが、金を積まれても行けない何かが私たちにはあるのだ。なんて。。これって世界中で起こっているんだよなああ。と都会の医療過疎地区でせっせと働くわたくしであった。