まちづくりと家庭医2

家庭医がコミュニティを育てる日々の記録

臨床研究について

今日はプライマリケア臨床研究ネットワークのミーティング。不肖私も参加させていただいている。研究というのは昔から結構好きで医学教育関係などに首を突っ込んだりしているのだが、いかんせん学がない。大学院も博士号も研究の仕方も素人、これではだめだと知りつつもあと一歩が踏み出せない。そんな私である。
しかし今回は違うなあというのがなんとなく感じる。私の研究ではないがなかなか大きなNの研究が動いている。それも診療所ベースの連合体でである。大学もすこし噛んではいるのだが、量的研究として結果が出るようだ。本当にいわゆる「臨床研究」として陽の目をみることになるのだろう。
私がこれまで出来なかったこと、そう10年ぐらいの臨床経験で、。「研究」「英語」「読書」。第2領域のものでどうしても手がつけられない。「減量」も加えてもいい。もちろん、臨床医をしながら研究をするのは現実的に難しい。でも、思うに大学の研究室から始まった基礎研究だけはなく、家庭医なり臨床医の診察室から出発した研究が量産される日本というのが正しい臨床研究の未来なのだろう。
そもそも「家庭医」ってなにとか言われている現在の状況だけれども、プライマリケアを抑えていて研究もして健康に寄与しているのが家庭医だよと言い切れる未来が欲しい。某巨大書店の「家庭医学」のコーナーを探したが「家庭医」と名の付く本は1冊もなかった。「リンパを取る本」とか「セサミン」の本はあるのに「家庭医の見つけ方」とか「家庭医がいちばん」みたいな本は誰も書いていない。それぐらい奥ゆかしいのだ。
事実、Twitterに親和性が一番あったのが家庭医であったし(心臓外科医とかもありだけど)、ビジネススキルや「暮しの手帖」やら神保町古本街、地域の健康を守るやらに絶対一番に呼ばれるべきは「家庭医」に違いないのだ。アンチエイジングとか各科専門医が都心や病院の中から街場にでることはないのだから。