まちづくりと家庭医2

家庭医がコミュニティを育てる日々の記録

家庭医でも病棟研修は大事だ

というディスカッションを昨日しましたがもうすこし。

病棟研修でしか学べないこともある、病棟研修では学べないこともある。

家庭医の内科研修は初期研修2年間と後期の6ヶ月、実質すごく短いものです。感覚的には、家庭医として外来を行うならば内科全般についてきちんと診れるようになっていてほしいというのが指導医の希望です。というより求められるアウトカムじゃないかと思います。
病棟研修でしか学べないこと、入院適応、例えば、糖尿病のsick dayをどこまで外来で診られるか、DKAの治療をしたことがなければきっと診断もうまくできないと思うのですが、どうでしょうか。神経梅毒の患者を経験したことがなければ、診断の方法は知っていてもどうしていいかわからないだろうと思うのです。もちろん、それを他と共有できるスキルがあればカバーできるのでしょうが。
総合内科研修では自分が主治医として受け持つ以外に、回診で病棟全部の患者のプレゼンテーションを聞き、自分があたかも担当しているように経験することができます。日本でも幾つかの病院でそういった厳しい中での共有を経てりっぱな指導医となっている方がたくさんいます。
家庭医療専門医の中には(総合内科医)を内包していて欲しい。しっかりした基礎の上に応用が成り立つと思うので。基礎となる筋力は内科だと思います。
もちろん病棟研修では学べないこと、こちらはそれ以上にたくさんあります。医師としての人格はむしろこちらで養われるのだと思います。その点は補足しておきます。