まちづくりと家庭医2

家庭医がコミュニティを育てる日々の記録

高齢者救急

walk inでやってくる救急患者、救急室に苦しみながら入ってくる、看護師が駆け寄りバイタルがとられ医師が到着し、的確な指示が出される。。

のようなイメージが救急ではないか。しかし、実際の救急患者はそれだけはない。

  • たまたま訪問したケアマネージャーがその具合の悪さにあわてて区役所に電話、担当した区の看護師が「あそこが良いから直接行きなさい!」と連絡なしに運び込まれる虚弱高齢者
  • ずっとどうしようか暖めて来たけれど、やっとのことで決心がつき家族とやってくるアルコール依存症
  • 1週間前から動けなくなっていたのに家族の休みの都合で今日無理矢理つれてこられた圧迫骨折

高齢者救急という文字がよぎる。geriatric emergencyというやつだ。うちのボスによれば、

認知症、痛み、家族状況

をスクリーニングしろと。ある意味トリアージが必要な症例である。

中小病院に入院する方も多くはこういった問題を抱えている。ふろしきを抱えて入院させてほしいと来る方もいる。シンプルな病気で科ごとに分けられる場合、透析と内分泌と専門外科とを通っているとかいうのはある意味分散はしているけれど、複雑ではない。さきほどの様な例が包括的に見れることこそ、面目躍如と言えるのではないか。

だから、医師も看護師もそういう社会的、あえてソーシャルとか言ってみるが、そんな医療を一生懸命やりたいという若者がたくさん集まっても良いのだが。少数派でしかないのだろうけれども、本質的に持っている医療への情熱みたいなものをくすぐることができるアプローチができないかと思ったりする。そういう受け皿となるような募集ができないかなあ、とアイデアを絞ってみたいと思ったりしているのである。