まちづくりと家庭医2

家庭医がコミュニティを育てる日々の記録

あーだこーだ病院の世紀

病院の世紀の理論

病院の世紀の理論

この本を書いた先生の講演を聞く機会があったので感想を述べたいのだが、あいにくまだこの本が手に入っていない。。それでとやかくいうのもなんなのだけれど。

お話を聞いて思ったのだが、私のような医者というやつはこういう理論の表現型、医療という遺伝子の形質が表現された末端にいるだけの存在なんだなあ、ただの。

とくにすごいと思ったのは、これから病棟看護師がどんどん在宅へ出ていくので、疲弊した医療モデルに浸かった看護師を再教育するのが一番大変と話されていたこと。非常に的を得ていて、素晴らしい。

医療とはどうあるべきかというようなことを考える社会学者がたくさん出て来れば、医者が動かなくても、然るべき方向へ導いてくれるはず。

とはいえ現実はそうではないので、医者もかなりそっち方向へドライブをかけていく必要があるのだが、きっともう目前まできているのだろう。

機運は高まっている。何かを起こす時が来ている気が、ね。

  • 日本は所有原理型。一般医と専門医の分離をしない、病床を医師自身で所有する
  • ケアの変化は革命的ではなく地殻変動的な変化。同じパーツを使うことになる
  • ヘルスケアシステムの地域化が進む。医療は包括化した方がよいに決まっている。
  • 障害者福祉から来た生活モデルがヘルスケアシステムに根付いて来た。今は久しぶりの好機
  • 中間施設は目的がはっきりしていない。自治体病院や療養施設。そこでは死ねないという規範が存在
  • 住民自治の重要性。とにかく自治体は外せない
  • ソーシャルキャピタルを作る。人づくりと地域作り
  • QOL自己決定への過度の依存。QOLは測れない。幸福と同じ。憲法13条幸福追求権
    他人にじゃまさせない。しかし自己決定できない人への強制になる