帝京大学公衆衛生学の井上和男先生が主宰するInoue methodsに初参加してきました。とてもユニークな先生のワークショップ、刺激を受けて帰りました。
竹末先生の質的研究についての話、これまた良かった。本家の直弟子から教わったグラウンデッド・セオリーの話をしてくださいました。質的研究というのは難しいと教わってきた私、ついになんとなくわかってしまいました。
簡単にいえば、看護師のインタビューでこんな文章があるとしますと、
「なんとなく痛みがよくならないのでずっとそばに居てさすっていたところ、患者さんは安らいだ顔をしてありがとうとおっしゃいました」
これをプロパティとディメンションを決める作業をします。ブロパティというのは項目みたいなことで、ディメンションはその次元、状態です。例えばこの場合は、
プロパティ「患者さんの安心感」ーディメンション「高い」
同様に
「患者さんへの働きかけ」ー「高い」
「患者さんとの意思疎通」ー「深い」
「患者さんの痛みの状態」ー「なんとなくよくならない」
といったように分けていくようです。
その後に、ラベル化という作業をして、この文が何を意味するを決めます。こちらが先か後かはまたいろいろらしいですが。例えば、「疼痛に対する看護がもたらす影響」みたいな感じのラベルをつけていく。。
といったのがグラウンデッド・セオリーの作業だと理解しました。これを延々つづけていくことで、理論的飽和に近づくのだそうです。それらをカテゴリー分けしていくのが研究のなかみ。相当大変で地味な作業です。
すでに詳しい方には何だそんな解釈と言われそうですが、初学者の戯言と思ってご享受ください。兎にも角にも、質的研究を体験できたという収穫。
同じテーブルに座った看護師さんは「みまもり」という看護を代表する仕事についてどう評価するかを研究したいと言っていました。私の研究している「気になる患者」とも近くて、質的研究への思慕が深まりました。家庭医の研究は質的がいいのかもしれません。
これまでどうも研究したくても難しいな〜と思っていたのが、やっぱり現場でやらないとどこでやるんだという気持ちに再度なれたという点で参加してよかったと思います。
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グラウンデッド・セオリー・アプローチの実践―質的研究への誘い
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