まちづくりと家庭医2

家庭医がコミュニティを育てる日々の記録

この夏の地域医療実習

この夏、医学生の実習を増やすために、1つのイベントを企画しました。

谷根千町屋まち歩き地域医療フィールドワーク

これまでの学生実習を受け入れてきて、いろんな不満がありました。

 

例えば、参加型になっていない、なんとなく講師側の都合で教えたいことを教えるだけになり、本当の学生のニーズをつかめていないこと。

患者さんにインタビューしてもらうという実習でも、話を聴くというスキルを体験してもらうことは出来たけれど、その患者さんを知ってもらうことは出来なかったこと。

感想文を書いてもらうのだけれど、やはり体験で終わっていて、それをどう生かすかはよく考えていなかったこと。

 

カークパトリックの4段階評価でいえば(記事参照

  1. 反応
  2. 学習
  3. 行動
  4. 結果

なわけですが、反応をみるぐらいでよかったとか楽しかったレベル。

学習にしても、評価するのは事務担当者なのでよくわからない。

行動、結果はまあ手を出せず。。

 

今回は徹底的に体験をしてもらうのですが、そこで何を感じ取るかは学生に任せることにしました。こちらが学び取ってほしいこと、などというのは所詮どうなるかわからない、患者さんから得ることってなんでもいいのです。

趣味の偏った講義やワークショップよりも、自分立ちに内在する本来の医療人としての気持ちに気づくような実習を。

 

しかし、それには方法が必要です。

ファシリテーションといいますか、うまく引き出してくれる人がほしい。多分それは医療関係者ではダメなのです。

今回はお世話になっているエンパブリックの広石さんに全体ファシリテーションをお願いしました。引き出しがたくさんあり、いままで考えたこともないことが言えるようになる、そんな会になると思います。

学生が何か反応して、学び取って、学生生活で何か行動する、それによって社会に貢献する。

そういう流れを学生実習で作れるか。

そんな挑戦のような気がします。

 

失敗するかもしれません。

いまのところ、事務担当者の伸びがすごいです。医者中心ではない、自分たちがつくる学生実習になっています。

しかも今回の実習は多職種、医師以外の看護、薬学生、理学療法士を混ぜて作っています。

なんとか成功するようにお祈りください。

 

では〜。