まちづくりと家庭医2

家庭医がコミュニティを育てる日々の記録

多職種ケアカンファ

うちの診療所では多職種ケアカンファレンスをやっています。

最初はなんだったか、多分症例検討会みたいなものを多職種でやりたいと漠然と思っていたのが、カトレアで出会ったカナコさんに来ていただいたことで、見える事例検討会風に始めることができた。

最初はマインドマップに慣れず、どうしてここまで書かないといけないのかと思っていて、難しいなあと。

だって、これまでのカンファといったら、医者が喋って、順番に感想を言い合って、司会者が簡単にまとめる程度。仕事のカンファだったら、医者の話だけになることも有ります。

王子生協病院では割と早くから臨床倫理カンファが導入されていて、退院前カンファランスには必ず4分割表がなんとかの一つ覚えのようについてくる。どんなひとでも。あれは使いやすいといえばそうなのだけれど、結論がでないこと前提なので、実は退院前にはそれほど向いていない。必要なのは倫理カンファだけだ。

そういうこともあって、あれでもいいかな〜と思っていたのだけれど、4回めを迎えて、いよいよ、見えるマインドマップの良さがわかってきた。

全体を俯瞰できる感じ、しかも、全てを把握できることで話がそれるのを防げる。

 

さらに、このカンファの強みは多職種で行うということもある。

多職種であるというのは、ただ単にいろんな職種がいるということではなく、それぞれが独立して意見を言えるということで、それはファシリテーターが医療者ではないという重要な要素が関わってくる。

 

例えば、この人は脱水症でしょうか、とファシリテーターが医師に質問をする。こんな病気で多分このぐらいの水分が足りないので、本来は〜〜などと話すとする。

こういった質問は、実はパラメディカルの医療者からはあまり出てこないものである。多分、そんなことは当たり前だと思われているから。患者の状態は知っていて当然という暗黙の了解があって、医師に質問しにくいのだそうだ。聞いたら、医療者でもそんなことも知らないのかと怒られるかも。。という。

 

こういう感じでカンファは本音のつっこみが入りながらプロレスのように進んで行く。

 

いよいよ、地域のケアマネさんとも顔の見える関係ができてきた。ぼちぼちフラットな連絡関係が築いてもよさそうな雰囲気。

昨日の懇親会では、在宅の連絡ノートを標準的なものに統一できないかというプランが持ち上がったりしている。これこそ私が待ち望んでいた連携である。

自分のところだけがよければいいという感じではなくて、みんなで良くなっていこうという、まさに「共通価値の創出」につながるんではないか。

また1ヶ月後のお楽しみ。

 

では。