まちづくりと家庭医2

家庭医がコミュニティを育てる日々の記録

ソーシャルデザインはつながり

今日でソーシャルデザイン講座が終わる。最後のネットワークパーティー、先週の講義について振り返っておく。

そもそもこの講座に通い始めた動機は、「医療」の世界があまりに『社会」とかけ離れていて、外の世界とは別の法則で動いていて、例えば医者と患者との関係性のギャップがとても大きいということだった。医者は単なる職業としてしか働いておらず、患者はそれ以上の期待を持っているようにみえる。

それを乗り越えるために様々なことを考え活動して来たのだが、つまるところ、ソーシャルデザインとは、つながりそのものだということがわかって来た。関係性の再構築、社会課題をどうやって解決するかを考えることに行き着く。

それは企業でもNPOでもどちらでもよく、都合のいい方を選べば良い。単に慈善活動を行うのが一般的なNPOとすれば、それを収益化して、経済的に自立できれば、企業のほうへ近づいていく。

そこで出て来たのが、病児保育のフローレンスだったり、株式会社いろどりだったり、それぞれの貢献を行っている。

社会に対して、社会性、事業性、革新性を持ち、最後に関係性を強化していく。

だから、ソーシャルキャピタルとは、まさに人のつながりのことである。

世界の経営学者はいま何を考えているのか――知られざるビジネスの知のフロンティア

この本で著者が書いているように、つながりとは誰が何を知っているかを知っていることで、そのネットワークが力であるということだ。読んでいたら、いろいろ考えさせられる。臨床だけやっていて研究をしていないのは、全く進歩がないなあとか、変なブログばっかり読んでちゃだめだなあとか。

最後に、佐藤卓やドナルドショーンが引用されて来たのが、根っこは同じなのかと思わせた。医療も社会学も人の営みなのだ。

もっと深めなければ行けない、しかし、広げることも必要だ。

家庭医を増やそうとかいうスローガンではなくて、問題を解決するために何が必要かという観点で仕事をした方がよさそうだ。医療も社会デザインの一つ、スタートアップしたとしてもいいかもしれない。家庭医のスタートアップがそれにつながればなおいい。