まちづくりと家庭医2

家庭医がコミュニティを育てる日々の記録

ポリファーマシーへの具体的行動

水曜日は敬愛するTさんの薬局に出向き、訪問薬剤指導のカンファランスに参加。

 

はじめての開催だったのですが、慣れないながらも丁寧に準備をされていました。

薬剤師さんのカンファってどんなものかなあと想像もつかずに参加しましたが、薬剤師さん的な問題事例を話し合うということになるようでした。

訪問薬剤指導の場合は在宅なのですが、薬がうまく飲めていない、複数の薬局から受けている処方があり(やや治療がかぶるとか)薬学的に問題にある場合、やっぱりこれはどうにかしなきゃなあと思うらしいです。

 

薬剤師は処方からある程度意図を読み取って、さらに、問診やら状況証拠を積み重ねて、患者さんと相対していきます。

いろいろ聞いていて、やっぱりこの処方いけてないな〜と思いながら処方するってつらいでしょうねえと思いました。

いくら疑義照会ができても、「先生の処方、やっぱりいまいちですよね」とは言えないはずです。

処方提案というのはできるようですが、どれだけの医師がそれに応じるだろうか。。(前にもこんなことを感じたような)

 

そうやって話し合っていると、やっぱり総合的に診てくれる先生が欲しいですよね、と言われます。処方をまとめてくれる先生なんですよね。これは実際に必要とされている。

腎臓内科でもなく呼吸器科でもなく精神科でもなく、それに適しているのは総合診療科だと思います。

ただ、主治医をすぐに変える訳には行きませんから、それだけをやって返すような外来があってもいい気がします。どこかのおまとめローンみたいですが。これもキュレーター的役割とも言えます。

 

先日も、ふらつきでずっと困っていた方で、どうみても多いなこのくすり、というのをひょいとやめてみたところ、ふらつきも消失、認知症もなくなってしまったのを経験したました。

普段は効果ばかりがとりあげられる薬も時には害にもなるわけです。

だからといって全部やめてしまえ〜というのは乱暴すぎるので、経験のある医師が慎重に、一剤ずつゆっくりとという基本は外せません。

 

処方薬剤に関する多職種のカンファランスってあってもいいかもしれません。処方からみる医師の処方行動を分析するみたいなReverseカンファとかやってみたいですね。

 

Tさんのカンファはこれから定例になるようです。非常に面白いので時々参加したいと思っています。 

 

提言―日本のポリファーマシー (家庭医・病院総合医教育コンソーシアム Vol.2)

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