まちづくりと家庭医2

家庭医がコミュニティを育てる日々の記録

エコーセミナーの感想

久しぶりに手技系のセミナーに出てみましたのでご報告します。

私が尊敬する古屋先生主催のプライマリケアエコーセミナーです。
 
三人の達人、弘前大学総合診療部の小林只先生、城東整形外科の皆川先生、隠岐島前病院の白石先生の講義と時折入るエコー実演の1日でした。講義型だったにもかかわらず、とても面白く、空いた口がふさがらないほどびっくりしたセミナーでした。
 
最初の小林先生、結構若い先生で前回の学会の際のランチョンセミナーでも聞いていたので、田舎でエコーを使いこなす先生ぐらいの感覚だったのですが。。
今回の話はすごい。基礎の研究として解剖から筋痛について研究されており、MPS研究会というもので活躍、エコーを用いてトリガーポイントに生理食塩水を用いた研究をされていると報告。とにかくこの分野の文献に詳しい、詳しすぎる。病院でペースメーカーチェックから骨折からPMRから何でもエコーを使ってみてしまうその根性。
むちゃくちゃトップランナーでした。これまで買いかぶっていて済みませんでした。相当なブルーオーシャン。古屋先生が言うようにこの領域これからすごいことになると思います。
 
著書も結構インパクトあり。
プライマリ・ケア‐地域医療の方法‐

プライマリ・ケア‐地域医療の方法‐

 

 

その次は城東整形外科の皆川先生。この先生は本当にすごすぎて、口をあんぐりさせてもうあとは感嘆するのみ。。

超音波でわかる運動器疾患−診断のテクニック

超音波でわかる運動器疾患−診断のテクニック

 

関節をエコーで見て、完璧に解剖を説明して、瞬時に注射して治す。

整形外科ってこんなすごいんだ!と思いました。格好よすぎて。。

まずは解剖を勉強しないと。

 

 最後は離島発の小技、白石先生。これもすごかったなあ。

離島発  いますぐ使える! 外来診療  小ワザ 離れワザ

離島発 いますぐ使える! 外来診療 小ワザ 離れワザ

 

離島でやっている外科外来(もちろん内科医がやる)の内容を惜しげも無く見せていただきました。すご、すごすぎる。エコーを当てて、見ながらやれば、安全だよ。ということがしっかり分かりました。

 

こうして考えると、自分なんかプライマリ・ケア医とは言えない気もします。日本の(特に僻地の)医者って何でも出来る人が育っていて、内視鏡も心エコーもできる総合医、いわゆる「総合医」が必要とされているんだなあ。どっちもできない私は果たして田舎で働けるのだろうかという不安も出てきました。

とはいっても、今の現場でも、無理して無駄なCTを撮ったり、あるいは在宅で診断がつかないまま救急搬送ということもなくはないので、少しずつエコーを活用していきたいと思います。ポケットエコー欲しいけどなあ。

では。