まちづくりと家庭医2

家庭医がコミュニティを育てる日々の記録

地域でどこまでみるか

地域連携をどうやってきたかを思い出してみる。

 

某ベテラン訪問看護師は、とにかく高齢の患者さんを

入院させないようにするにはどうしたらいいかを考えている。

連携の病院があったら、ちょっとした熱でも入院させた方が

家族にとってもいいだろうなと考えてしまうが、

それだと、家族の食事介助がなくなり、元気がなくなり、

点滴がつき、胃瘻を勧められ、抑制されてしまうから。

できるだけ入院しないようという思いは、私にはまだまだ足りないなあ。

 

カンファランスを継続してやっていると、何人か知り合いが増えてくる。

自分の所のケアマネさんの考えていることも徐々にわかってきたり、

小さな事業所がどんな動きをしているかも知ることになる。

忙しいだろうなと思いつつ、電話してみると、

あー先生、いつもお世話になっていますと恐縮して挨拶される。

名前と顔が一致したときのやりやすさは易々とは得られないもの。

 

薬局の知り合いも出来たこともすばらしい。

薬局というのは実は地域のネットワークの核であることを知る。

患者さんは必ず薬局に行く。

いくつものを医者を掛け持ちしていても、薬局は同じだったりする。

そこを拠点とすると、地域の見え方がまた同心円でひろがるようだ。

 

格好よくまとまった地域連携なんて早々できるものではない。

なんとかつながる機会をつくって、

地域のキーとなる人がどこにいるかを知ることが必要と思う。

 

次回は東北の総合診療について書きたいと思います。

では。