まちづくりと家庭医2

家庭医がコミュニティを育てる日々の記録

教えるのが難しいと思った時

Difficult Learning Encounterについて(岡田先生のスライド)

http://www.scribd.com/doc/11002743/Difficult-Teaching-Encounter

あとはこれ

決定版!スグに使える臨床研修指南の21原則 (総合診療ブックス)

 

第1に「それは本当のことか」を確認する

あの研修医どうも態度が悪くて困るというような病棟での噂はよく出てきますが、本当にそうなのかをしっかりと確認しないといけない。何かの間違いかもしれないので。

 

同時に、それが重要な事かどうかを考える。

殆どの場合誰かは困っているから重要に違いないのだけれど。いつまでもくよくよと悩んでしまうこともある。

 

次に、4つのカテゴリーを診断する。

  1. 環境とシステムの問題
  2. 組み合わせの問題
  3. 指導者の問題
  4. 学習者の問題

1.について

研修病院は忙しい。事務担当者も割り振られていなかったりして、研修医にかかるストレスは小さくない。受け持ちが多すぎて、とても仕事にならないとか。きちんとオリエンテーションができていないことが多ですから。

2.は合う合わないの問題。

ゆったりした人とガツガツした人は合わない。年寄りと若者は合わない(かも)。変な指導医は誰にも合わせられない(これは3かも)

3.はね~みんな困っているかも

指導者の人間性が問題ということはあるかもしれない。しかしそれに気づいてしまったらどうしたらいいのだろうと考えると夜も寝られなくなる。

4.その人本人 これが最後

大きく病気か病気じゃないかに分けられる。病気なら治療。

あと、出来杉君かどうか(outstanding、特に出来るやつ)

結構できるやつを教えるのは難しい。家庭教師のバイトの時も難しい問題ばかりやりたがる子がいて困った。でもそういう人こそうまく扱われる必要があります。

 

先日のPCFMネットミーティングでは事例を上げながら話しあったのですが、なんだか超ベテラン先生の貴重なお話が連発しておもしろかったです。

飲みニケーションを重視する大御所先生のお話と相まって、そんなに飲みに行かないんだけどな~っていう比較的若手の先生のギャップがとても新鮮でした。

そんなわけでその後ペールエールを飲みに行ったわけなんですが、やっぱりPCFMに来るような先生方はとても教育が大好きで熱心で、本当に2.5SDから外れている方々だと思わされました。こんな素敵な先生方に教えられる薬学生、看護学生は幸せだなあと。

そうなると、自分の働き方をどうしていったらいいかとまた考えてしまうわけですが、例えば教育だけではなく研究プライマリケアで研究を行わなきゃいかんでしょうとプチ修業に勤しんでいる私ですが、本当にそれ意味あるの?大学で活躍するスーパーなやつに任せておけばいいんじゃないの、というよくある自問自答にぶち当たります。

でも、そういう質問をぶつける相手ってすでになんらかの大家だったりメンターとして働いている方なわけですから、先生はその道をくぐりぬけているからわかるでしょうけど、こっちはまだそこに達してもいないというぐうの音も出ない話になってしまう。とりあえず経験したいというだけでにわか研究者が大量に発生するのがこの医学界だったりすることを忘れてはいけません。

まずは論文をすらすらと読めるぐらいのレベルにたどり着いてでないととやかく言えないんじゃないかという結論に達したので、さっさと日々の診療に戻りたいと思います。

台風一過で東京は暑くなりました。

では~。