診療所外来に来る患者さんは、生物医学的な問題(かぜ、腰痛、発熱など)だけではなく、なんらかの慢性的な健康問題を抱えています。
しかし、医師の診療だけではそれをすくい上げることが困難で、看護師やその他の職員がどう活躍するかにかかってくると常々思っています。
しかし、なんとなく気がきくベテランの看護師さんでもなければ、初診の患者さんの秘めた思いや、服の下に隠されたちょっとした身体的な変化を見つけることは不可能です。
そのために、医療生協がすすめている「高齢者に優しい診療所」では、高齢者総合評価を積極的に進めており、10分間で手軽にスクリーニングできるツールを開発しています。
すでにその効果を示したデータも出てきています。
じゃあ、これをどうやってうちの診療所で生かそうかとずっと考えていますが、まず第一のハードルとして、時間がない、忙しい、そんなことをやっている暇がないという意見が多いことです。日常業務で手一杯なのにそんなことできないという。
例えば、医者がやってみようかと思っても、10分を一人の患者にかけることは何人かに一人はできても、たくさんは難しい。しかも、他に急性疾患をしょって来院されている場合などは到底無理です。
で、私の場合は、自分でピックアップした患者さんを看護師さんにお願いしてやってもらうことにしていました。もちろん学習会などを行った上で十分理解してもらった上での話です(いまのところ生協内限定の研修会となっています)
それでもう2〜3年続けているので、ここらでまとめて見たいなと思っていますが、結局取るだけになっていて、それほど活用できていないのが実情なので。
ちょっと研究にはならなそうなので、QIとして見直してみて、実際にスクリーニングとして職員の協力が得られるのかどうかをみてみたいと思います。
具体的に、認知症、尿失禁、転倒、うつなどがスクリーニングできることになっています。
最後に最近私も関係して出た本で、エピソードから疾患を見つけるという面白い本がありますのでご参考にどうぞ。
エピソードを見逃すな!?徐々に進行する疾患への連携アプローチ
- 作者: 内山富士雄,西村真紀
- 出版社/メーカー: プリメド社
- 発売日: 2015/06/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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では〜。