まちづくりと家庭医2

家庭医がコミュニティを育てる日々の記録

内科と総合診療はどう違うのか

現在、自分は総合診療医だと思っている。

日々、地域医療に従事していて、

家庭医療学を基盤としている医師。

 

そんな私が 診療所に来る学生、研修医に

「結局、内科と総合診療ってどう違うんですか。。」

と聞かれる。

本当によく聞かれる。

 

「内科とは違って、非選択的に患者を見て」

「家族のことまで考えながら診療して・・」

「小児を診たり、看取りもしますよ」

と説明するのだけれど、なんとなくしっくりこない。

 

専門医機構が行っている研修プログラムからすると、

内科と総合診療の中身があまり違いがないと思われている。

総合診療には内科研修の期間があるし、内科には地域医療の期間がある。

小児科や緩和ケア、外科などのローテは初期研修でも経験するから、

うまくすれば「経験した」という意識は持ててしまう。

 

「地域を診たいんですよね〜」

「救急とかやっぱり大事だと思います」

「でも専門内科には進めないんですよね」

そういうやりとりで少し萎えてしまう自分がいて、

他科から総合診療が下に見られているという話も仕方ないなと思ったりする。

 

 

きっと、自分で自分の仕事を宣伝したところで、

それは受け入れられないんじゃないだろうかという思いがある。

アイデンティティが確立していないとか言うけれど、

本当は十分に確立していて、家庭医療学も総合診療も説明できるはず

なのだけれど、説明したらだめなのだ。

長年積み上げられてきた他の専門科の堆積した歴史からすれば。。

 

患者さんがどこにかかるかは日本では自由だから、

総合診療なんて便利な医者が増えてしまって、

もしうまく行って患者が取られたら、

などと考える人がいるのかもしれない。

 

まっさらなところから働き方を議論して、

総合診療医が本当にうまく機能していくことで

他の専門科の負担が減るということを考えるのだけれど。。

 

 

で、内科と総合診療はどう違うのかという質問に

どう答えたらいいか。

 

「あなたはどう思うの?」

と聞いて、答えられる学生なら、

総合診療に向いているかも、ね。

 

では〜。