まちづくりと家庭医2

家庭医がコミュニティを育てる日々の記録

訪問診療に看護師は必要か

訪問診療はいまだ謎の仕事である。基本的に密室のために誰にもみられないのが問題だ。

 

特に医師一人で行かなければならない時。医学的に問題も多いが、とにかく忘れ物が多くなる。多分、医者は細々としたことができない。事務仕事が大の苦手である。会計なんてもってのほか、飲み会の幹事なんてうまくできた試しがない。 

看護師がそこを一手に担っているのだが、それもどうなのだろう。単なる父性主義の名残で、いつまでもそれに頼っていていいのか。同行看護師のアイデンティティはどこに?である。

事務を帯同させるのはどうか。看護師はなしにするとしたら、医療について無知な人を連れて行くことになる。これも医師の単独診療に近い。せめてカルテ入力はやってもらうのかな。

 

医師は結局何をしているだろう。問診、診察、最初の第一印象で具合を判断して、今日何を優先するべきかの判断をする。あらかじめ今日は採血かなとかプランニングもしなくてはいけない。とにかく臨機応変な判断とルーチンな仕事の狭間であっち行ったりこっち行ったりと落ち着いていない。だから側で見ている冷静な人が欲しい。多分、看護師。

 

訪問看護と連携すればいいという人もいるが、それはちょっと違う。別々に行って別のことをしていると思う。医師は治療、看護師はケア。重なりあっているものはあれど、同じ時間を共有していない。

 

調べた限り詳しい研究は本邦にはない。いつかこの辺りを研究テーマにしてインタビューしてみたいと思っている。いつの日になるかわからないのでだれかやってもらってもいい。そうか、そういう人に協力する手もあるか。こちらはコツコツと知見を積み上げよう。

 

私は私で暗い夜も一人で往診するのが好きである。

では。

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