まちづくりと家庭医2

家庭医がコミュニティを育てる日々の記録

ベテラン医師はどう振り返ればいいのか

日々の仕事を省みるながら日々を過ごすことはもはや必須であると思います。

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しかし、研修医の頃とは違い同じ世代の仲間もいなくなり、しかも医者が1人しかいない職場でどう振り返ればいいっちゅうねん!ベテランになるとだれも間違いを指摘してくれなくなります。

というかその相手がいない。一緒に同じ仕事をしているわけではないので、医師は常に孤独です。

うーむ物哀しい。普通に診療していると一ヶ月なんてあっという間。同じ僻地診療所に努める仲間とも会わずに終わります。病院だったら誰かに声かけるのも簡単だし、夜ちょっと飲み行こうも言いやすい。それなりの息抜きにはなったていたかなあ。

とはいえ、いずれ一人で診療するとか歳をとって同僚がいなくなるとかあると思いますから、考えておきたいところです。いくつか方法はあると思います。

 

SNSを利用する

Facebookなどの実名制のところでつぶやく。そして一応知っている医者からいいねなり返事をもらう。これは手っ取り早い方法です。ただ、あまり突っ込んだところまでは書けませんし、もしやのリスクもあります。ならば秘密のグループで呟いてもいいのですが、なかなかレスポンスがなく寂しくなるかもしれません。以前はTFCという素晴らしいメーリングリストが盛んで回しのうまい管理者の先生が楽しませてくれました。ネット時代以前の仮想医局でした。最近いくつかのネット医局が出ていますがどれも私の満足行くものは出ていません。やはりそこに人の気配が感じられないものにはなかなか居たいと思えないのです。

 

たまに飲みに行く

時々あって言いたいことを言い合うというのは結構楽しいですが、僻地だとなかなか難しいものです。かといって、ネット会議ではあうんの呼吸がつかみづらく盛り上がりに欠けます。誰が仕切ったらいいかというのも難しい…月一回とかやれればいいんでしょうけど、実現していません。帰りにふらりとパブに寄り一杯やって帰るというのが理想です。

 

日記をつける

誰にも見られないノートやらに切々と思いをしたためる。すぐさっと書ける必要があるため、紙のメモが最適という話もありますが、私はEvernoteのiPhoneアプリにしています。それでも遅いと感じたら、Siriに呟いてメモに保存します。毎日1ページは書くようにして保存すれば、ポートフォリオにもなると思います。でも誰かに見せたいと思うこともあり、何かコメントが欲しいところです。

 

奥さんに話す

結局、医師の話はプライバシーに関するものが多く、一般の方に話すことがなかなかできません。いくら実名であっても一般の方の多い私のFacebookではなんとなくぼやかして書くしかないため、いまいち盛り上がりに欠けます。そして、結構気を遣います。となると、うちに帰って家族に話すのが一番安全かもしれません。実際、医師という孤独な存在では配偶者が一番の理解者で聞き手になるしか道はないようです。うちの場合は看護師なので問題ありません。子どもからの聞いて攻撃をかいくぐる必要がありますが〜。

 

本当はバリントグループというような自助グループを作って時々集まるのがやりたいのです。以前はskypeでやっていましたが子どもができて難しくなりました。近くの開業医や病院勤務医が集まって事例を出して検討する、といった感じです。医師会でよくある有名講師の講演とかあまり役に立ちません。そういう古いタイプの学習会ってなくならないかなと常々思います。

 

バリントグループの師匠は手稲の家庭医小嶋先生です。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/generalist/34/2/34_167/_pdf/-char/ja

本格的なグループワークをやっているところがあるようです。聞いてみようかな。

バリントグループワーク - 千代田国際クリニック

 

では。