まちづくりと家庭医2

家庭医がコミュニティを育てる日々の記録

家庭医開業医の連携

日頃どうやってご近所さんと連携しているか

うちの場合、患者さんはそれまでのつながりからとかたまたま家族が見つけたからとかでやってくることが多いのです。

しかし、いまだに大学病院から丸腰でいついつ退院なんで受けられますかみたいな電話がかかってきます。私たちが求める移行ケアのようなものがいつまで経っても始まっては来ません。

退院なのに在宅設定がされていない、前の主治医に連絡がなく紹介される、退院時カンファレンスが開かれない…地域連携室があっても大体こうです。退院時連携を進めている先生もたくさんおられる中でどうして広がらないのでしょうか。

 

一番の理由は病院と在宅それぞれの意思疎通のなさだと思うのですが、なかなか変わる気配はないです。

こういうのとか

 

こういうのが目指す形なんですが。

私の場合、在宅担当のナースがいないので、電話含む連携は全部医師がしています。

一度、別のところでは医師に伝えたい時に医療アシスタントを通す必要があり直接うまく伝わらないので、先生にお願いしますと言われた時があります。そんなのあるんだと思った記憶あり。

多分、誰かを挟んだ方が言いやすい場合が多いはずですが、直接コンタクトできる良さもあるようです。

あとはできるだけ退院前から関わること。退院の連絡が来たら、根掘り葉掘り聞いて、本当に帰ってきて大丈夫かを考えます。そもそも本人と家族の意思が明確でない場合はどうにもうまくいかないことが多いのです。そう、書いていて思い出したのは、これはダメそうだなという勘は大体当たるということで、まあしかしそれも何とかするのが在宅だと思っています。

 

じゃあ、家庭医として何が違う在宅なんだ?というと特によくわからないわけですが、多分、患者中心の医療の方法なり家族志向ケアなりを応用しているためなんだろうと思っています。

 

例えば、どうしようもなく不必要な薬が投薬されていたとしても、すぐに切らないのが家庭医で、なぜその処方が続けて出てしまったのかを追求して納得した上で減らしていくものだろうなあとか。

 

連携の問題はただ顔が見える関係になれば解決というものでもなく、その辺りは行政の方々にも気づいてほしいなと思います。何か大きく変わるきっかけがあればいいのですがね。

 

では。