まちづくりと家庭医2

家庭医がコミュニティを育てる日々の記録

生来健康

健康とはなんなのか。全く病気がなかったら健康なのか。そもそも必ず死ぬことが決まっている私たちの命を少しでも永らえさせることが医者の仕事なの?

というようなことを考えていたら、LDLが200あってもまあ大丈夫でしょうと思ってしまうし、血圧200もまあ少し落ち着きましょうね〜ぐらいに思う医者になった。

でもやっぱりワーファリンやめたら脳梗塞起こす人はいるし、血圧を放置したせいで脳梗塞から麻痺になり介護が必要になる人がでてしまう。

医者の仕事は科学ではないのだろうけど、人とそれなりに付き合って、交渉していく仕事だった。ケースワーカーみたいに。

エビデンスって言ったって別の世界の話じゃないか。日本ではどうなんだ。基礎研究で花を咲かせる同級生もすごいと思うが、私はわりと今の結果が欲しいほう。

自分は生来健康だ。健康でない状態には非常に恐れを抱いていると思う。病気を抱えてなお健康で居るということが生きるということなのだからそれに耐えなければならない。それが漠然とした将来の不安である。

おじの葬式でも坊さんはそういっていた。人生は修業だ。楽しいこともあるが辛いことも多い。ピーカンデリばかりではないというのがわかれば大人になったということかもしれない。