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まちづくりと家庭医2

家庭医がコミュニティを育てる日々の記録

秋山さんの講演会へ行く

月曜日は荒川区での秋山正子さんの講演会でした。


「暮らしの保健室」がオープン - YouTube

会場に行って、ケアマネがたくさんいたのでびっくり。介護保険課主催の研修会でした。少し場違い、でも知ってるケアマネさんがいっぱいで沢山の方に声を掛けられました。

お話の中にはいくつも面白い話がありましたが、印象に残ったのは救急車をよぶことという話でした。救急車をよぶということは、すなわち助けてほしい意思表示ですべての救命処置を拒否できないのだよ、100歳で老衰でも心臓マッサージされちゃうのだよということです。

そんなのその場ではっきりいえば、やらないですむよと医者は思ってしまいますが、消防士や救命士は多分とりあえずやるでしょう。医者だって、どんなのに当たるかわかりません。医者がハズレなら、挿管されてアドレナリン打たれて完全抑制でICUでしょう。うちにはまず帰れません。

そこで、かかりつけ医を持ちましょうと秋山さんは問いました。近くのお医者さんにいよいよの時、死亡診断書を書いてくれるよう頼んでおきましょう。

  •  死亡診断書を書いてくれるよう頼んでおきましょう。

秋山さんたちが作った暮らしの健康手帳には医師にとっては馴染みのない話がたくさん詰め込まれています。  

  •  ケアマネと合わなかったときには、こうやって替えましょう
  •  死亡診断書はあとからもら書いてもらえますので、すぐに救急車を呼ばないこと

そういうことを一般の方に言ってもいいのですねと、私は感想を述べました。何と無く隠しておくべきことと思っていました。

  •  一人暮らし、男性、肺がんの三拍子揃ったら、在宅看取りが不可能と病院は思っている

これも本当によくあることでいつも思っています。病棟スタッフの気持ちひとつで退院できることもある。せっかくの退院前カンファレンスもいかせていないことが多い。在宅側には看取ろうと思っているスタッフもいるけれど、病院には伝わらない現状がある。

私的には非常に面白かったのですが、ケアマネや区の方にどれだけ伝わったかが疑問でした。一緒に行った看護師はすごいと感銘を受けていましたが、やっぱり医療と介護の溝はまだまだ深い。ヘルパーが直接看護師や医師に連絡することがまだ許されていないというのもそれを著実に表しています。ケアマネを通せとかFAXを使えとか、規則に縛られて思考停止している。

地域ケア会議を区は非常に押しているようでしたが、実際にオブザーバー参加した薬剤師さんが私の思っていることを言ってくれました。医療者が入っていない中で(それは医師や看護師のことをさしますが)区の担当者とリハビリ、ケアマネなどでケアについて話し合われています。今、これほど医療と介護の連携が叫ばれているときに、医療を抜きにして、朝9時からというお役所の都合としか思えない形でケアが話し合われている。医療のエゴといわれるかもしれませんが、地域ケア会議の報告を聞くとそう思わざるを得ません。COPDがあるから栄養指導を入れてください、リハビリをオーダーしてくださいと指示だけ報告されたことがあり、やはり患者のコンテクストを無視した会議のありようが問題ではないかと思っています。なぜ食欲が出ないか、なぜ外出しないかといった患者側の視点が抜け落ちていました。

秋山さんの行動には力強さがあって、行政の決まり事を物ともせず、常に患者から出発して看護を考える実直さを感じてとても慕っています。看護師が足りない、仕事が忙しい、それは出来ないとすぐ行ってくる偉い人たちにはないもの、看護とはこういうものだと現実に即していない理論を振り回すのでもありません。

 

幕が下りて

帰りに記念撮影をお願いしたら、エレベータも一緒になりお食事をご一緒することになりました。秋山さんの看護についてさらに聞けるなと思っていたのですが、秋山さんもお腹が空いていたようで、連特製ムネカツをまずご賞味、久しぶりだけれどやっぱりうまかった!。ひと通り食べ終わると、連のおばちゃんがすーと寄ってきて、自分の半生を話しはじめました。がんになったこと、死の淵をさまよったこと、障害者雇用のことを輝く瞳で語ってくれました。今まで何度もお酒を飲みに行っていたのにこんな話は初めてです。いつもこんなに会計が安くて大丈夫~と思っていたのでそんな人だったのねえと思いながら、人に歴史あり、がん看護の話ピッタリの幕切れでほんと人の出会いは不思議なものだなあ、偶然が必然というのだろうなあと思わされました。秋山さんの「在宅ケアのはぐぐむ力」というのはこういうところかもなあと気がしました。

在宅ケアのはぐくむ力

在宅ケアのはぐくむ力

今週のお題「ねむい」

 今日は眠いですね、おうちの片付けを致します。