まちづくりと家庭医2

家庭医がコミュニティを育てる日々の記録

マイケアカフェ初夏

今週はイベント続き、結構刺激が強すぎて、後遺症が残っています、やっと正常な精神に戻りつつあるのですこしずつ書きます。

 

水曜日はマイケアプランネットワークにお呼ばれして講演、15名ぐらいの方に自分の仕事とくに在宅診療のことについてお話しました。私にしては珍しく講演で非常に嬉しかったのですが、いざ話すとなるとなかなかまとまりのある話は出来ず、、でも言いたいことは殆ど言い切ったので満足しました。

特に何を話したかというと、在宅医療の現状、自分がどんなふうに仕事をしているか、介護を受けるにあたって知っておいたほうがいいことは何か、でした。参加者からの質問では、主治医意見書はどうして早く書いてもらえないのか、が最初にでました。

これ、問題なんですよね、前から。

主治医意見書が遅れるのはなぜか、

主治医なのに内容がプアなのはなぜか。

どうしても書く側なので、医者擁護に回ってしまいますね。そんなこといったって、いろいろあるんです、と。病棟で医者をやっていたら、主治医意見書を書くのは夜です、夜、全部の病棟の仕事が終わってやっと一息ついて書類やるぞ~ってなるんです。だから、忘れることもある、書類棚に主のようにへばりついていて、医事課に至極怒られてやっとでてくることもありました。ほんとうにスミマセン〜。

反省するしかありません、介護保険制度がだめだとか、当日に持ってきて書いてくれといわれるとか、急性期で介護が判定できるのか、なんていろいろ言い訳は言えますが、とどのつまり、医者が仕事すればいい話ですから。

 

介護保健主治医意見書記載のポイント―認定審査事例でよくわかる

 

もうひとつの話題は、総合診療医。

私も生まれてこの方総合系をメジャーとして選んでやってきているので、それなりに愛着があって、総合診療医ばんざーい的な話をしてしまう方です。

 

何でも診れるって結局なんにも診れないんちゃうの?

 

総合診療医って実力大丈夫なん?

 

で、総合診療医ってどこにいる、近くに見ないけど?

 

などという質問が出来て、ややこっちも興奮気味にもなりましたが、まあ、おっしゃるとおりです。まだ、専門認定されたのは200名ちょっと、内科専門医が数万人いるのに比べてどうしようもなく少なくて、まわりには全く居なくて、質保証も??なんですが。

でも、私はこれからに期待してくださいと言い切ってきました。これまではないけれど、きっとこれからは大丈夫です、少なくとも今よりは悪くなりません!と。

 

(総合診療医がどこにいるか?については、未完成ながらこういうのもありますのでご参考に http://goo.gl/maps/SXD9t )

 

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介護関係でお仕事をされたり、自分の家族を介護されたりした方々でしたが、概ね、総合診療医(あくまで私の話を通してですが)は受け入れられたようです。

これまでは患者が医者をうまく使わないと行けませんでしたが、そういう時代は終わりました。これからは診断を用意していく必要はありません、かぜですか、先生のご専門とは違うかもしれませんが、なんて遠慮をする必要のない医者がいるといいと思いませんか

と話したら、これも驚かれて、それはいいことを聞きましたといって頂きました。

それで、担当の先生ともっと話しましょう、先生のご専門は何かを聞いてみましょうと、参加者の方にお願いしました。

先生のご専門は何か、なんて聞けませんよ〜

え、なんで聞けないんでしょう。

先生はどこの大学をお出になっていらっしゃるの?

ぐらい聞けないのでしょうか。なんて、失敬な患者、と思われますから、と言う方もいらっしゃいましたが、そうでしょうか。超高学歴な医者ほど聞いて欲しいと思っていますけどね。じゃあ、

先生ご出身はどちら、医学部は地元でいらっしゃいますか〜

とやんわり聞けば、それなりに教えてくれるはず。それはきっと有用な情報になり得ると思います。

 

木曜の多職種ケアカンファレンスのことも書いちゃおうと思っていましたが、このへんで力尽きそうなので、とりあえず終了。

なかなか一般のかたにお話するのは勇気が入りますが、とても面白い体験だと思いますね。ぜひまたやりたいです。