まちづくりと家庭医2

家庭医がコミュニティを育てる日々の記録

都会型中小病院の戦略

中小病院はないものづくしである。

専門医がいない

基本的に内科しかいない。内科といっても専門がない。難しい病気はすべて総合病院に送らなければならない。血液、循環器、リウマチ、神経など。

外科医がいない

胆石があったら総胆管結石を考えなければ入院適応が決められない。

外科医のいる病院への転送が前提である。

当直医が足りない

慢性的な医師不足のため当直回数は多い。非常勤医師を入れても足りていない。

 

近隣の中小病院では外科と消化器内科を置いて、いわゆる手術対応ができることで生き残っているところが多い。もしくは透析と破砕術だけできるとか。

中小病院でプライマリケア医だけをそろえても役に立たないことは自明である。都会では総合病院との連携で乗り切ることができるのでまだいい。

 

逆に考えれば、プライマリ・ケアに特化した中小病院というものも都会ではありうるはずである。もう少し示唆に富んだプライマリ・ケア専門を極めることすらできる。

というよりも、そこで埋もれている患者層がかなりいるということを忘れたくない。診断は付いているけれども通院できていない認知症一歩手前の独居高齢者や、足腰が痛いだけで通院していてがん検診に触れていない人たちがまだまだいる。

そういった人たちはいわゆるドクターGのような総合診療科でさえ歓迎されない。underservedな人を見ることを掲げている医療機関は数多あるけれど、喜んでその患者たちに向かっていく研修が明るくできることが必要なのではないかと思う。