多職種協働ということば。
WSに出たあるNPOの方に言われたことがある。
「多職種協働って異業種は入らないんですか」
同じ業種での連携なんて、とっくの昔に実現しているだろうと思っているのだろうか。
異業種というのは一般人もパン屋も左官屋も床屋さんも入る。
ここまで声高に叫ばれているIPW/IPEも今のところ医療福祉に限られる事が多い。あるいは大学内、病院内に限られている気がする。
カンファランスをしていると、やっぱり医療関係者だけで話したほうが早いんじゃないと思うことは多々ある。その他の人が入るとどうも議論が一般化しがちで「ゲーム」のように感じることがある。
実際の方策を決めるには、やっぱり在宅関係者を一同に介した担当者会議をやったほうがいい。当事者、つまり本人が出てきたり、実際にそこで決定することができる。そこで医師がリーダーシップを取るという職能が発揮できる。そういう場に割いている時間が実は圧倒的に足りていない。
そもそも担当者会議自体に医師が呼ばれなかったりすることも多い。会ってしか得られないコミュニケーションの機会をみすみす逃してしまっている(大体、担当者会議のお知らせは来ず、欠席の判が押されて送られてくるのだけれど)
当地の地域ケア会議などで思うのは、やはり担当医師や看護師抜きで開催されていて(もちろん本人も)、 包括的な視点にかけていると思われるレポートが帰ってくることでもある。
じゃあ、オープンな事例検討会はなんのためにあるのか。
勉強のため?
顔の見える関係をつくるための題材のようなもの?
議論のための議論では?
多職種協働という枠を超えた話し合いは、素晴らしい物であることは確か。
クローズドな話ができる時間の確保と、よりオープンになっていく方向性。
どちらも必要。
もうひとつ。
IPWのグループワークについて
http://www.ncgg.go.jp/zaitaku1/pdf/jinzaiikusei/2012/20121013_14/1014_hirahara.pdf
- 全員に発言の機会を与えること
- 安全性の保証
- 論点がずれる
- 難しくてついていけない
- 進行速度が早過ぎる
ある程度、議論が拡散することは、そういう場の楽しみでも有り、ファシリテーションのしがいがある。というか、現実は常に混沌としているわけだし。
しかし、うまくファシリテーターが「編集」して、なんらかの結論に持っていくことは重要であると思う。
それにはファシリテーターがある程度ゴールを想定していないと難しい。
医師がファシリテーターをすることが多いと思うが、そこまでできるかというと、その技術を持っている人は殆どいないし、大体しゃべりすぎてしまう。
まだまだ課題が多い。
参考