まちづくりと家庭医2

家庭医がコミュニティを育てる日々の記録

3月最終週

積み残しを見てみます。

  • 腸管ベーチェットの寛解とステロイド減量
  • コロナの基礎疾患と呼べるのは血圧も入るのか
  • 超高齢者の高カリウムと食指不振
  • 超高齢者の心不全治療と利尿薬によるQOL低下
  • 軽度認知症の専門医外来リファーは必要か
  • ほんとにレビーなの?
  • VSRADってほんとのところどうなの
  • 検診血尿のみの結石

そこから勉強できた一部。

 

腸管ベーチェット

dynamedを見てもあまり詳しく書いていない。

それどころか、腸管ベーチェットの記載でサラゾピリンが見当たらない。

薬本よくみたら、適応外じゃんけ!!

これはなにか文献に当たるべきか。

すでに寛解している方を引き継ぐというのは難しい仕事と思っています。

 

心不全 利尿剤とβブロッカー開始

トライアルを開始したdynamedより。

利尿剤は少量から開始する。

HFrEF heart failure reduced ejection fractionの患者

体液量増加の症状緩和に用いる。

第1選択はループ利尿薬。

高血圧やループ利尿薬単独で良くならない場合はサイアザイドを考慮。

電解質異常、低血圧、脱水などに注意。

いつも悩む外来からのβブロッカー。 

本来はβブロッカーは退院前に開始されているべきとある。

βブロッカーは安定した患者では少量から開始できるが、副作用に慎重な観察が必要。

ビソプロロール 1.25mgより開始、カルベジロール 10mgより開始。

増量には2週間以上時間をかける。 

外来でプライマリ・ケア医が開始するよりは循環器に紹介だろうか。

 

コロナの基礎疾患 

日本のコロナワクチン接種基準最新のものを参照してみる。

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000756894.pdf

(1) 以下の病気や状態の方で、通院/入院している方
1.慢性の呼吸器の病気
2.慢性の心臓病(高血圧を含む。)
3.慢性の腎臓病
4.慢性の肝臓病(肝硬変等)
5.インスリンや飲み薬で治療中の糖尿病又は他の病気を併発している糖尿病
6.血液の病気(ただし、鉄欠乏性貧血を除く。)
7.免疫の機能が低下する病気(治療中の悪性腫瘍を含む。)
8.ステロイドなど、免疫の機能を低下させる治療を受けている 9.免疫の異常に伴う神経疾患や神経筋疾患
10.神経疾患や神経筋疾患が原因で身体の機能が衰えた状態(呼吸障害等)
11.染色体異常
12.重症心身障害(重度の肢体不自由と重度の知的障害が重複した状態)
13.睡眠時無呼吸症候群
14.重い精神疾患(精神疾患の治療のため入院している、精神障害者保健福祉手帳を所持している、又は自立支援医療(精神通院医療)で「重度かつ継続」に該当する場合)や知的障害(療育手帳を所持 している場合)

この方の場合は慢性の肝臓疾患で当てはまるので接種が必要でした。高血圧も一応入っているのかな。こうなるとほとんどの通院の方は当てはまりますね。コレステロールだけという方がだめなぐらいかな。

 

高カリウムの鑑別

薬剤性、脱水、副腎不全、、どれもなさそう。

90歳近くだし腎不全でいいかな。超高齢者で脱水が進んだと考えるか。

食欲不振が先か、それとも。

原因薬剤もなさそうだし、たまたま長時間外出したせいか。

 

今日追加の課題

病院で下部内視鏡前にレントゲン撮影がルーチン化された。いきなり検査をした方が前処置で腸閉塞になって、大腸癌が見つかったためらしい。レントゲンで大丈夫だとしても、本当に問題ないかはわからない。結局外来でCTまでやったほうがいいのかな。

  • 高齢者の貧血精査 どこまで積極的に行う?

腎不全の方の降圧薬、ACE阻害薬やカリウム保持性利尿薬も使いにくく、結構いつも何十しています。腎臓内科の専門性なんだとは思いますが。

  • 肝硬変、腎不全患者の降圧薬の選択

前回の認知症関連はまだ解決していません。

また月曜日書きます。