まちづくりと家庭医2

家庭医がコミュニティを育てる日々の記録

たまには医師会雑誌で勉強してみた

こんにちは、なかなか勉強していない開業医です。今日は時間があったので、医師会雑誌をびりびりして読んでみました。その収穫をだらだらとまとめます。

 

 

2020.5 睡眠時無呼吸症候群

どうも個人的に信用していなかった睡眠時無呼吸症候群。結局、やってどうなるの、なんのために?がわからなかったのですが、ちょっとすっきりしました。

略語の整理から

  • SAS sleep apnea syndrome 睡眠時無呼吸症候群
  •  OSA obstructive sleep apnea 閉塞性睡眠時無呼吸
  •  CSA central sleep apnea 中枢性睡眠時無呼吸
  • CPAP continuous positive airway pressure 持続的陽圧呼吸
  • AHI 無呼吸低呼吸指数
  • REI respiratory event index 呼吸障害指数 
  •  RDI respiratory disturbance index 
  • SDB sleep-disordered breathing 睡眠呼吸障害 
p262 睡眠時無呼吸症候群の診断と検査

PSG(睡眠ポリグラフ検査)とHSAT(簡易型無呼吸モニタ検査)は違うらしい。この先生はすごくクリアカットに書かれていてわかりやすい。

肥満、大きないびき、狭い中咽頭部、太い首などがみられ、OSAのリスクが高い状態で疑われる。

本来であれば、心不全、脳卒中などの基礎疾患や眠気などの症状がある場合はPSGをやるべき。

「CPAPの取り扱い業者が機器を貸し出し、自宅で患者が自己装着して検査を行い、結果解析は他所で行われ、医師の下にはレポートが届けられる」というまさによくある筋書きではraw dataが見れないという真っ当な意見を言われていて、つまりその辺の医師がやってくれるなということらしい。

糖尿病、肥満ぐらいだとHSATでよかったのだろうけれど、専門医からしたらそれじゃあ甘いってことなのかな。まあ、やってなかったけど。

p268 睡眠時無呼吸症候群の治療

そもそもCPAPのエビデンスも眠気、血圧、事故率などはあるけれど、心血管イベントや死亡率の影響は証明できていないと。やっぱりか。しかし、CPAPの適応についてはAASM米国睡眠学会だとOSAすべての患者におすすめされている。日本はREI respiratory disturbance index 呼吸障害障害 40/時以上、AHI 20以上(とにかく略語が多い)

CPAPの遠隔モニタリングも確かに必要ではある。そのためだけに毎月通院するのは大変だなとよく思うので。

生活習慣病との関連、歯科連携などいろいろあるが盛り沢山すぎて割愛。

 

2020.11 知っておきたい不整脈の知識

p1366 不整脈のAI診断

コラムのところの記事 、平常時の心電図から発作性心房細動の発症を予測する研究が始まっているとのこと。面白い。感度 82%、特異度83%の予測だそうだ。健診で測るようだけれど、1ヶ月前に予測できたらいいのかな??

p1377 不整脈の薬物治療

なんとなく期待していたのはリズムかレートかというコントロールの話だったけれど、そのあたりにはあまり突っ込んでおらず、両論併記のみ。

 p1388 心房細動のカテーテルアブレーションの進歩

循環器をしっかり回っていない私にとっては未知の領域。というより最近ですよね、広がったの。これを機会に勉強できた。肺静脈を電気的に焼くんですね。クライオバルーンは冷凍、ホットバルーン、レーザーバルーンなんてのもある。結構日本が進んでいるみたい。ガイドラインでも推奨クラスIIaと高い。

p1391 血栓予防法

血栓予防。ワーファリンとDOACの話はだいたい知っていた通り。出血と腎機能によって使えない物があるのは覚えておかないといけないです。

p1397 心室不整脈および致死的不整脈の管理

VPCの診断にLown分類はもう使われてないらしい。なんとなく覚えた気もする。VPCがあると心機能に問題があるかという話では、発生直後の心房収縮で心機能低下がおこるみたい。1日1-2万を越えれば問題と。これもカテーテルアブレーションで改善させることが可能だけれど、薬でも左心機能は回復できるらしい。薬はやはりβかメキシレチン。

p1402 遺伝性不整脈

先天性QT症候群、brugada症候群は覚えておかないといけない。子供でも十分ある。

 

ふー、こんなところで1日終わる。勉強って大変。結構網羅的なので、医師会雑誌もレセプト期間の息抜きにチラ見してもいいかもしれないです。

ではみなさん、また!