まちづくりと家庭医2

家庭医がコミュニティを育てる日々の記録

総合診療専門医のポートフォリオ

総合診療専門医のポートフォリオを教える機会があり、家庭医療専門医である私は自分で書いたこともあり、少し教えてみようかなと思いました。

 

しかし、どうやら今年になってみてみるとどうも勝手が違いました。タイプAとタイプBがあり、すでにタイプBに統合されたようで、タイプAというのはこれまでの家庭医療専門医のポートフォリオを踏襲した比較的詳しい自由記載の形をとっていますが、今度のタイプBは形式が決まっています。例えれば、子供の読者感想文を書くときに見たワークシートのようなもので、それぞれのパーツを組み合わせればなんとなく形になるといった塩梅です。そうなるとポートフォリオの目的である自分の能力の集大成的な作品群みたいなイメージではなく、学習した成果をプロセスごとに書いていくようなぎごちなさを感じてしまいます。

 

1.包括的統合アプローチ

2.一般的な健康問題に対する診療能力

3.患者中心の医療・ケア

4.連携重視のマネジメント

5.地域包括ケアを含む地域志向アプローチ

6.公益に資する職業規範

7.多様な診療の場に対応する能力

 

この7つについてそれぞれワークシートを埋めればOKという感じです。普通は患者さんを見た後にこの人が書けるかなと考えて、エントリーに当てはめていくと思うのですが、先にこれらを勉強してから患者に生かすという書き方しかできなくなっています。診療の中で少しずつ指導医と相談して書いていくのが良いと思うのですが、なかなか難しいのでしょうか。7つのテーマに感じても、じゃあBPSモデルはどこに入るのかとか、家族カンファレンスは?研究やプロジェクトワークはどうなったとかいろいろ違和感があります。というより、これを指導できる人がそんなにいるのか?という気もしたり。

 

これは単なる一家庭医の意見なので、そんなに違和感なくやっているよという方もいると思います。ただ、少し思ったことを書いてみただけですので。

 

では。