まちづくりと家庭医2

家庭医がコミュニティを育てる日々の記録

在宅医療は深く

在宅医療には色々と考えるところがある。

 

現在の形態では、自分ひとりで訪問し、診察をして、処方箋を渡し、何でもするような昔の開業医のようなことを行っている。

こういう形は今となっては古臭いだろう。

今では、看護師でもなく、医療職でもない事務か運転手を同行させて訪問するのが普通になっている。

 

家庭医としての自分は、割となんでもやってしまう方なので、同行する看護師がいなくても問題なく仕事できる面もある。

医師が診療している間、看護師が手持ち無沙汰になっていることもあり、重症患者以外の同行は不要だと考える医療機関もある。

看護師自身の仕事に対するアイデンティティは何なのかと考えていたこともあった。これは事務職も同じで、直接患者と接しない場合に何をモチベーションとしておくかという話だった。

いまの同行事務の人たちはそんなことはないのだろう。

 

実際やってみると、思いの外、事務的な仕事が多い。

時間調整、家までのルート検索、事前の電話、会計、物品準備などなど。

いわゆる、医師でなくてもいい仕事が多い。とはいえ自分が発注するので、医師がやってもいい。

 

 

現状では、本当にミニマムな形で在宅医療を展開しているが、このあとどうなっていくだろうかと考える。

がんの看取り、小児の在宅医療、神経疾患となると、どうしても手がかかる。それに従って、人員も必要になり、自分が主治医として担当できないことになる。

周りには開業したばかりでやはり一人で在宅を担っている医師が多くいる。グループ診療を目指すのだろうか、それが最善なのか。

 

どうしても規模が大きくなると、患者との距離は遠くなる。

特に我々、家庭医(総合診療医とはまたちょっと違う)の場合、分業していく自分ではなく、統合していくことに重きをおいている。

1+1=2 たくさん足していけばそれだけ良い医療ができるという考えではない。

 

例えば、3人で診療を行うとしても、最低100人規模でないと、

経営として成り立たない。看護師、事務員を入れても、

かなりのスケールになってしまう。

 

いったんソロになってしまうとこういう悩みもでてくる。

組織にいたほうが意識せずにいられる。

フリーになるには覚悟が必要だ。

 

では。