こんにちは。
今日の文献は在宅での職種間の理解についての調査です。リハビリテーション分野からの英語論文、2018年のものです。
テーマとして患者への治療そのものよりもそれを行う医療者のほうに興味があるのかもしれません。仕事の質や安全性、効率など。
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目的
- 在宅での専門職が他のさまざまな専門家の役割を認識しているかどうかを判断すること
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方法
- 400名の看護師、400名のリハビリテーション専門家、122名の管理栄養士であり、在宅医療を行っている。訪問者が他の様々な専門家の役割を認識しているかどうかを調査するアンケートが参加者に郵送された。返されたアンケートは、この研究への参加についての同意を示した。
- 回答率
- 49名の看護師(回答率:12.3%)
- 74名のリハビリテーション専門家(18.5%)
- 42名の管理栄養士(34.4%)
- アンケート
- 妥当性
- 専門家
- 看護師 3名
- 理学療法士 1名
- 専門家
- 各職種の役割に関する質問
- 「要介護高齢者への支援」
- 「認知症高齢者への支援」
- 「終末期患者への支援」
- 「神経難病患者への支援」
- 妥当性
- 分析
- 一時配置分散分析
- 1種類のデータ群で比較する場合
- ANOVA(分散分析)
- 3つ以上の平均値の相違を調べる
- 母平均を検定している
- 2つの場合はt検定
- 虚無仮設:a群、b群、c群の母平均が同じ
- 対立仮説:a群、b群、c群の母平均の中で異なる値がある
- 3つ以上の平均値の相違を調べる
- 多重比較検定
- 一時配置分散分析
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結果
- 「症状の変化の可能性と症状の変化への対処法について」の質問に対する回答が示すように、すべての専門家の中で、自分の職業の役割に対する認識は他の職業よりも高かった。
- 他の専門家の場合とは異なり、管理栄養士の間の役割認識は、すべての項目で70%未満でした。
- 限界
- アンケートの回収率が低かった
- 参加者における他の専門家の協力の実態は明らかではなかった
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考察
- 看護師は他の専門家よりも女性の比率が高く、経験年数も高い
- この研究における看護師の役割認識は、以前の研究と同様に高かった
- 管理栄養士は「介護が必要な高齢者への支援」が評価されたものの、それ以外の評価は低かった
- 近年、終末期の患者さんは在宅を希望しているため6)、これらの患者や難治性神経疾患の患者のための管理栄養士の訪問を含む在宅ケアの必要性は将来的に増加する
- 以前の研究では、リハビリテーションの専門家が廃用症候群や転倒の予防、日常生活の改善に関与していたが、心理的能力の改善には関与していない5)と報告されている
- しかし、リハビリテーションの専門家が認知能力の評価を行い、認知状態の治療を高齢者に提供している
- 将来の職業間の理解を深めるために、すべての職業は認知機能に関連して重要であると考えられるべき
- 終末期の患者さんに対して、看護師の役割認識は全般的に高く、本研究では他の専門家によるリハビリテーション専門家の役割認識は低かった
- 看護師は他の専門家よりも女性の比率が高く、経験年数も高い
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結語
- 在宅医療チームは必ずしも最適な専門家で構成されるとは限らない。したがって、職務上のギャップを埋める方法を理解することが重要です。職業に関わらず、優れた身体評価スキルとさまざまな疾患の症状を理解することが重要です。
まとめ
他の職種のことをどう理解しているのかは実はあまり考えたことのなく、例えば、訪問看護師が実際どんな内容を行っているかは医師はあまり知らないと思います。訪問診療はとかく医学的なことに時間を使ってしまうため、生活の中身や社会的な問題については後回しになりがちです。そういう意味でも多職種で在宅チームを組むというのは必須のなのかもしれないと思うところです。リハビリテーションが認知症の検査をするのにもかかわらず看護師には周知されていなかったり、栄養士が嚥下やがん患者の栄養について関わることが増えてきたことはよく周知されるべきで、それぞれがどう歩み寄るべきかは検討したいところです。
では〜。